さいとぅおんぶりー

燃えつきた地図のさいとぅおんぶりーのレビュー・感想・評価

燃えつきた地図(1968年製作の映画)
3.7
被写体の前に遮蔽物を置いて観客が覗き見る画面作りはミステリーと親和性があって非常に良かった。これは多彩で歪なカットをこれでもかと見せることで原作の燃え尽きた地図のテーマである自己同一性の崩壊と合致していた。(ただ画面を作り混みすぎてて拗さも感じた)
安部公房作品を読んだ後の狐に摘まれたような感覚が最後まで残ったのも好き。

個人的には押井守が燃えつきた地図をアニメ化した迷宮物件FILE538の方がより衒学的で好みかな。