えッティ

ラストエンペラー/オリジナル全長版のえッティのレビュー・感想・評価

3.5
「自由とはなんだろう」
これが この映画のテーマであったと感じた。
紫禁城の中で 自由に暮らす薄儀。
贅沢なものを食べ、贅沢な衣類を身につけ、風呂、掃除、洗濯、ウンコの片付けまでしてもらっている。
最高な生活。一見、側から見たらそう見える。
しかし、自分の意思で 皇帝になったわけではない。元の家に帰りたくても、帰れない。紫禁城から出ることさえ許されない。
普通なら、色々な物事に触れ、肌で感じ、自然と学んでいく3歳児。しかし、薄儀は、全てを召使にやってもらい、自分の力で何かを成し遂げることがない。
これは、自由だと言えるのだろうか。
実の母が死んだと伝えられても、彼は拘束されたまま。
好きになった乳母でさえも、離れ離れ。
好きでもない相手と結婚しなくてはならない始末。
全くもって 自由ではない。
人間は 自由に生き、失敗で学び、成功を知ると 思っている。
薄儀は、どうだろうか。
大人になり、何ができるようになっているだろうか。
実際は、靴紐すら結ぶことができない。
人の気持ちを考えることもできない。

紫禁城の外の世界へ自由を求めた薄儀。
「紫禁城から出たい」
その思いが、次第になくなっていく。
そしたら、掌返しで、「ここから出ろ」と言われる。
出たくない。 そんな言葉を誰も聞いてくれない。
いつしか、牢屋に入れられ、完全なる自由を失う。
出所し、庭師を始めた薄儀は、元の家に戻るのか、紫禁城に戻るのか。
どちらだろうと思って見ていたら、
紫禁城であった。

自由を失った場所に戻る自由。
自由とは、人間が成長する上でなくてはならないものである。

これを表している映画であったと感じた。

自由に映画を観て、自由に思ったことを言える今のこの世界が好きでたまらない。
この映画は 眠くてたまらない。

前半が ゲロかけられるぐらい地獄。
後半は良かった。
えッティ

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