Addie

僕らはみんな生きているのAddieのレビュー・感想・評価

僕らはみんな生きている(1992年製作の映画)
4.0
お気楽な短期出張のはずが、
途上国の不安定な情勢に巻き込まれていく。

真田広之、山崎努、岸辺一徳、嶋田久作。
この4人で面白くないワケがない。

登場人物が全員、無神経で強い。

後半。
反政府軍相手に
切り札の土下座でも許されず、
MADE IN JAPANをキレ気味でブッ放す高橋(真田)。

「いつまでモつかわからない?
お前たちが全員殺されるまでモつよ!
メイドインジャパンだぞ!

天皇の顔は知らなくてもソニーは知ってるよな?
日本人と酒飲んだことなくても三菱とは親友だろ?
お前らがコレラ菌だらけの川で水浴びしてる間、俺たちは半導体に埋もれてたんだよ!
暇な夜にやりまくって8人も9人もガキ作ってる間、電卓叩いてたんだよ!
このくそ暑いのに背広着てなあ!

俺のおやじはなぁ、毎年年賀状が300通来てた。
それが定年退職したとたん7通になったんだよ!
7通だぞ、おい!
人生の293通分(会社に)捧げたんだよ!」

最後の方はもう
嶋田久作の通訳も追いつかない。

終盤。
這々の体で解放された傷だらけの山崎努がハンドルを握っている笑
「人じゃねえなぁ、てめぇら!」

泣いてたくせに、最高。
セーナからせしめたタバコを咥えるシーンも。

諸々、現在のセリフとしてはあり得ないし、
「あんなことでしか誇れない」としても、
「愛は地球を救ってくれない」とわかっていても、
あの時代を知ってる世代で良かった、
と思う。


※劇中歌はやなせたかしやさだまさしでも、
エンディングは時任三郎に歌ってほしかった。
Addie

Addie