ひと夏の思い出の恋に、ロミオとジュリエットのような身分違いの恋を取り入れたベタな恋愛青春ドラマ。
いかにも低予算で展開は想像通り。
それなのにどうしてこんなに感動してしまうのでしょう。
奇をてらわない正攻法の演出が、
主演二人、ジェニファー・グレイとパトリック・スウェイジの魅力を最大限に引き出していて、低予算のロケがこの夢物語をよりリアリティにしたからでしょうか。
この作品、まずこのレッスンシーンがいいですね。
二人が身体を密着させてスウェイジの指がグレイの脇のあたりを這わせるシーン。
名シーンと言われるシーンですが、
くすぐったくて何度もグレイが噴き出してしまって、
スウェイジが苦笑する場面はシナリオ通りではなくアドリブだったという。
そして作品のハイライトとなる“リフト”を練習する場面。
小川に架かる丸太の上で何度も練習し、
池の中で飛び跳ねる彼女を受け止めるシーンはとても美しい。
真夏の設定ですが、
実際にはスケジュールが押してとても寒い中での撮影だったらしいです。
I'm scared of walking out of this room and never feeling the rest of my whole life the way I feel when I'm with you.
(この部屋を出たら、これからの人生、あなたと一緒だった時のような思いは2度とないと思うと怖い)
など、ロマンティックなセリフがキラキラしていて、英国の映画雑誌の調査では、「これまでに最も引用された恋愛映画」1位にランク付けされたらしいです。
その調査では「最も女性が観た映画」の第1位で、
「プリティ・ウーマン」や「グリース」「サウンド・オブ・ミュージック」など数ある名作を抑えたとのこと。
ベイビーがジョニーに本名を告げるシーン、
尊敬していた父親と和解するシーン、
退屈していた客たちがジョニーのダンスに感化されて老若男女踊りだすシーン。
いずれもいいなあと唸ってしまいます。
そして“リフト”。
このシーンは神々しいと呼べるほど素晴らしい。
英国女性ほど感激はできなかったけど、いい作品でした。