役者に設定だけ教えて自然な間や揺らぎをとらえての編集や手ぶれの長回しのドキュメンタリータッチ。きまりまくった画や照明と移動の繋ぎというとドラマ。その二つの折衷という監督の手法は「万引き家族」を待つまでもなく本作で出揃っている。しかし、意図しないものを撮りたい、生々しいものを必死で押さえたいという欲望や気迫はない分、本作くらい突飛なフィクションやユーモラスな方が好きかもしれない。特に冒頭のシーン含む反復や聞くから聞かれるの反転といったコメディ的ドラマツルギー、月や雪も非常によかった。ちょっと長いとはおもいつつ、まったり見るには丁度良い。真冬に見たかった。助監督西川美和
