Maoryu002

ユージュアル・サスペクツのMaoryu002のレビュー・感想・評価

ユージュアル・サスペクツ(1995年製作の映画)
4.5
とにかく構成が面白い。
犯罪スリラーであることは間違いないが、複数の(架空の)登場人物を動かし、回想をベースに話を展開させていくという特殊な構成の映画だ。

観た後に思うと、冷静に登場人物を追っていけば黒幕は予想できるはずだが、そこは話し方や横道への逸れ方などが絶妙で、最後に気持ちよく驚かせてくれる作りになっている。
登場人物だけでなく、観ている側の意識や先入観をコントロールして、「人物の怪しさ度」を決めさせてしまうのだから、暗闇で集中して観ているこちらは完全に「負け」だ。
ラスト5分の「終わらせ方」は秀逸。

そんなストーリーをガブリエル・バーン、ケヴィン・スペイシーが名演で支え、出て来たばかりのベニチオ・デル・トロまで顔を見せるのだから楽しくて仕方ない。
派手さはなく淡々と進むが、必ず全員の記憶に残る極上のエンターテインメントだと思う。

この後、いろいろと撮影や契約上の問題が多くなってしまったブライアン・シンガー監督だが、間違いなく彼の最高傑作と言えるだろう。
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