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ユージュアル・サスペクツのEditingTellUsのレビュー・感想・評価

ユージュアル・サスペクツ(1995年製作の映画)
3.5
Apr. 27th

Bryan Singer監督作品
1995年アカデミー賞脚本賞、助演男優賞受賞

あなたは必ず最後に騙される

といううたい文句が有名ですが。これは騙されるというか、わかっていたとしても、ここまで細かい演出だとは気がつかない。

Newton Tomas Sigelのカメラワークに踊らされる。ブロッキングにかなりこだわっていて、意味のない動きをしない。だからこそ、カメラの一つの動きに見とれる。さらには騙される。キャラクターの顔の大きさを使ってそのショットの緊張感、誰が引導を握っているのかを表現している。大オプターなどを使ったフォーカスでのストーリーの表現の仕方も面白かった。普通のテレビ番組とやっぱり大きなところは、DOFが極端に狭いところ。ライティングの技術と組み合わせて、そこで感情やキャラクターを伝えるため、視聴者の視線が誘導され、そこにドラマが生まれる。それをとても感じた作品。

編集も、トリッキー。タイムラインを行ったり来たりする演出は今となっては珍しくないのかもしれないが、難しいのは間違いない。どうやってその移動を表現するのかというのが問われる。この作品はあまりそれを表現していない。だから、視聴者は最初の何回かの行き来は混乱することだろう。しかし、その混乱が視聴者を考えさせることにつながり、そのあとの展開に視聴者をついてこさせる要因となっている。いうだけではかなり簡単そうだが、めちゃくちゃリスキー。Kevin Spaceyの見事な演技を利用した感情の変化を編集で伝えることでそれを可能にしていた。喋らない時の表情、そしてボイスオーバーのナレーション的な使い方で、終盤は見事にそれを表現していた。

ユージュアルサスペクツという題名もトリッキーですね。邦題考えるの難しかったんだろうな。
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