kmf

ものすごくうるさくて、ありえないほど近いのkmfのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

許しがたい暴力から父を失った少年が、その父とつながり続ける為に始めた、鍵穴探し。
8分間の太陽のエピソードでそれを説明するシーンに涙がでた。

家の外には苦手なものがたくさんあるのにそれでも、父の死を受け入れる為に自分の始めた事をやり切るべく、タンバリンを叩きながら早足でずんずん進むオスカーに、胸が潰れそうな思い。
物事のあれこれを怖がって試したがらないオスカーが業を煮やす父に言い放つ「ぼくにがっかりしないで!」という言葉、男の子は特にお父さんに対して抱くのじゃないかなぁと思った。一般的なことは分からないけれど、うちの兄が、父に対して。


タイトルは映画を見る限りは、終盤でやっと冷静さを取り戻してまわりを見回したら愛で包んでいてくれた母のことを指しているらしいが、なんだか納得がいかない。
物語はあくまでお父さんを軸に進んでいるわけだし。
ググったら原作の中盤に、以下のようなくだりがあるらしい。
高層ビルの窓ガラスに激突して死ぬ渡り鳥が年1万羽居るという話から、以下引用__「そう、それでぼくは、ビルにありえないほど近くなった鳥を探知して、別の高層ビルからものすごくうるさい鳴き声を出して鳥を引きつける装置を発明したんだ。鳥はビルからビルにはねるんだよ」__引用おわり
ビルにぶつかって落ちて死ぬ鳥は、言うまでもなくビルの崩落で死んだ父を比喩していて、(いや、あるいはWTCにぶつかって砕け散った飛行機のほうか。)これは被害者の家族の会話でなければ不謹慎とか言われちゃうよね。きっと。
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