しー

マトリックスのしーのレビュー・感想・評価

マトリックス(1999年製作の映画)
4.1
スタイリッシュSFといえばそうだし、愛の物語でもあるし、哲学的なメッセージもあるし、システムとハッキングの話でもある。その後のウォシャウスキーのコメントによると性的マイノリティの映画とも。

アクションや映像の派手さが当時話題になりその後の映像表現の流れが大きく変わった。見返してみるとあくまでSFアクションというのはパッケージの話であって、掘り下げるとかなり深い。映画のテーマを理解できなくても楽しめる映画にまとめたあたりがすごく商売上手。

トリニティがオラクルから授かった、あなたが愛した人が救世主という言葉は、貴方が救世主を愛するという運命的な話ではなく、トリニティが選んだ人を救世主にするという意思選択の話だったとなるとトリニティのキスでネオが蘇ったのは合点が行く

映画は「これから人々に世界を見せる、(中略)全てが可能な世界だ」というネオのセリフで幕を閉じるが、人々というのがマトリックス内の人々にも、映画館から出て行く人にも取れる前向きな哲学的なメッセージが最高に痺れる。電話を置いた瞬間にRAGE AGAINST THE MACHINEが流れるのもかっこいい。
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