しー

十二人の怒れる男のしーのレビュー・感想・評価

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)
4.3
個人的にはこのアプリの検索欄に12人と打ったら一番上に来て欲しい作品

父親を殺した容疑がかけられた18歳の少年の裁判に参加する12人の陪審員のお話。

判決は彼らに委ねられ、全員一致で決定しなければならない。

確証があるならば有罪、合理的な疑問(reasonable doubt)がある場合は無罪で投票する。無罪の場合には無罪を確証していなくても良いというのがミソで、証言や証拠になにか疑問点が有れば無罪に投票できる。

証言や証拠から陪審員11人が有罪を確信するもたった1人が無罪を主張する。議論していくうちに1人、また1人と無罪と同調する人が増えていく。


いまさらネタバレがとか言う映画ではないと思うが、ネタバレ含む感想を以下に










感想としては脚本がとにかく秀逸で緻密。登場人物が1人ずつキャラ立ちしていて、七つの大罪ではないがそれぞれにテーマが与えられそうなくらい人間性がしっかりとしている。傲慢な人、細かい人、偏見を持つ人、優しい人。一人一人が有罪・無罪だと主張する過程において、そのキャラクターがよく出ており、丁寧に描かれているのが心地良いとすら感じた。

個人的に最後の同調圧力のようになるところも含め人間社会の縮図に見える。

意見がまとまり人が退出していく中で、最後に残った人にジャケットをかけてあげるのが他でもない、少年に同情していた最初の人というのが締めくくりとして納得感がある。
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