ジャンルはディストピアSF。『1984』の世界より、『Brave New World』に近い。〈桃源郷〉の住人はそこが仮の世界とは気づかず生きており、本当の世界は文明が崩壊し、『ターミネーター』のスカイネットのようにAIが支配する世界となっている。白いウサギを追って不思議の国に迷い込んだネオは、モーフィアスとその仲間達に〈救世主〉と伝えられる。その救世主の肩には人類の運命が乗っかっており、師匠の導きのもと成長し、絶体絶命から復活する、英雄物語である。SFのフロンティアとして宇宙、未来過去の次にバーチャルリアリティを提示した作品として優れていて楽しめた。『攻殻機動隊』からの影響は大きいと感じた。