のんchan

囚われの女ののんchanのレビュー・感想・評価

囚われの女(2000年製作の映画)
3.7
シャンタル・アケルマン鑑賞10本目

勝手にかなり期待を込めていたので、正直、裏切られた感があり、観ている時にはアケルマンっぽさがない?と感じたものの、今レビューを書いていると、作りたかったことはやれてたのかな?と思えてきました。

世界で最も長い小説とギネスに認定されたマルセル・プルーストの「失われた時を求めて」、その第5編「囚われた女」をアケルマンの自由な発想で脚色したもの。


シモンはパリの豪邸で、祖母とメイド、運転手も雇って悠々自適生活。そこには恋人アリアーヌも共に暮らしていた。
シモンは花粉のアレルギー症があり、色白でひ弱なイケメン。
アリアーヌを愛しているが、その愛情表現は独特であり、寝室は別々。キスはするものの身体は交わらず、一線を超えないで感情を昂らさせていく変態性がある。

ある日、アリアーヌが女性に恋をしているのではないか?と思い込み、ストーカーのように付け回し情報を得ようとする。
アリアーヌはフワフワした表現をし、シモンの気持ちを惹き付けるためなのか?適当に交わしている風でもありファム・ファタールのよう。

堪えらなくなったシモンが別れを切り出すが、お互いの気持ちを確認し、別れるのをやめて再出発すると決めた宿泊先の海でアリアーヌが消えてしまう...


かなりキモしつこいシモンは女の全てを知りたい男
片やアリアーヌは全ては知らないままで愛せる女


束縛したい人とされたい人のカップルなら上手くいくかしら?
なんか見ててもうざったいわよね?

束縛されたくない人と全く束縛しない関係だと完璧?
それもまた淡々として秘密が増えそう。

恋愛の形こそ千差万別で、ニ人の相性は口先だけで話し合ったからと言って上手くいくものでもない。
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