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メリダとおそろしの森のdeenityのレビュー・感想・評価

メリダとおそろしの森(2012年製作の映画)
2.8
ピクサーでも大コケした印象しかなかった本作を子どもと鑑賞。まあそんな印象だったからわりと流し見でしたが、当然それなりのクオリティは保っていて、思いきり酷評するほどではなかったですかね。

特に映像はやはり素晴らしく、中世のスコットランドがモデルらしき自然風景とかは美しいですし、何より熊の質感がすごかったですね。毛並みとかの再現度はかなり高かったと思います。

ただ、まあ正直コケたのもわかるなって要素はちょこちょこあって、とりあえず作品としてのテーマ性として、束縛された現実からの自由を勝ち取る的な感じだと思いますが、至って普通と言いますか。そもそも自ら運命を切り拓く的なことは何もしていないと言いますか。母娘間の関係性にスポットを当ててる辺りはスッキリとしていて悪くはないと思うのですが、いまいちしっくり来なかったですね。

そもそも母娘間の関係がポイントになってくるわけですが、びっくりするくらい変化がわからなかったんですよね。それこそ王女としての価値観を押しつける母親と自分らしく生きることを主張する娘がぶつかるまでは良しとして、なんか唐突に互いが理解し合ってるんですよね。メリダもエレノアも特に心境が変わるほどのこと何もなかったやんって感じで。
そのくせ絆を深めるシークエンスとして、問題の川で魚を獲るシーン。あれはまじで最悪でしたね。どう考えても熊としての振る舞いが上手くなることがいいことのはずがないのに、ほらマジな熊になって言わんこっちゃない、とか誰もが思うでしょうし。というより時間がない中でそんなことやってる暇あるんかい、というあのくだり。あれはちょっと矛盾だらけで明確に失敗だと思います。

序盤は別に悪くなかったんですけどね。それなりな笑いどころとかも差しこんでこんな文句言うほどでもなかったんですけど、いろいろ中途半端なのは否めませんね。それこそ弓のくだりとかもっと後半に見せ場作ってよ、とかね。魔女のくだりとかあれで終わり?とかね。もっとやりようがあったはずなのに、それなりな面白みにしか持っていけなかったのはやはり失敗だったのかなって思います。
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