テリー・ギリアム天才!と思った。先が読めないめくるめくストーリー展開は言わずもがなだけど、多幸感に包まれるおとぎ話がたまらない。風が吹けば桶屋が儲かる式のロマンチックファンタジー。いや、友情がメインかな。人情噺のような。不条理も少しずつボタンをかけ違えば元に戻るような。
毒舌で人気のラジオパーソナリティー、ジャック(ジェフ・ブリッジス)と、ホームレスのパリー(ロビン・ウィリアムズ)の奇妙な友情はなぜか。
脇を固めるジャックの彼女アン(マーセデス・ルール)、ホームレスの人びと、何よりパリーの片思いの相手リディア(アマンダ・プラマー)が個性的で楽しかった。
印象的なシーンは、パリーにスーツを合わせる時に、ホチキス留めする雑なところとか、リディアが回転ドアにうまく入れないところ。聖杯に刻まれた文字がアップになったところ。パリーのパジャマ等々、隅々までつくり込まれていて、細部も楽しい。
テリー・ギリアムの頭の中、どうなっているんだろう。