旧「キングコング」は観てない状態で2010年あたりに観た。
わたしはこれそこそこ面白かったと思う。
尺の半分くらいは髑髏島に行くまでのことに費やしていて、長いなとは思うものの、仕事がなくなった女優がとりあえず仕事を手にいれたい気持ちと作品を選びたい気持ちで揺れる姿や、監督がスタジオと決裂したり、無謀な撮影企画を押し通し敢行するあたり、業界裏話をちょっと大袈裟にしたようなエピソードで好き。
売れない女優が珍事に巻き込まれるという意味ではナオミ・ワッツの役柄は「インランドエンパイア」と似てるところがあるし。
なにはともあれ、キングコングは100%悪い獣ではないんだなと知り「へぇ」という感じ。
突然変異と自然の驚異と人間のエゴがゴリラを悪魔化してしまったんじゃないか。
そんなコングとアンに芽生えた奇妙な絆はほほえましくもあり、終盤の展開はまるで「エレファントマン」のようでつらい。
人間だけがハッピーになってしまっていいのかと、ハッピーなのにしんみりした気持ちになる。
コングがアンに見せた情が頭に焼き付くからだな。