rage30

パイラン/ラブレター パイランよりのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

中国人女性と偽装結婚をするチンピラの話。

主人公を演じるのは、チェ・ミンシク。
ダメ中年を演じるのは彼の得意とするところで、本作もヤクザなんだけど憎みきれない男として、魅力的に演じていたと思います。
演出的にも、トイレではなく、流し台で用を足すシーンはインパクトがあったし、主人公の粗野な性格も表していて印象に残りました。

そんな底辺ヤクザの主人公が実は偽装結婚していた事が明らかになり、後半は結婚相手の中国人女性の人生が語られます。
あのダメダメな主人公が女性にとっては、救世主の様な存在として受け取られているのが面白かったですね。
まぁ、天涯孤独の彼女にとっては、主人公だけが無条件で助けてくれた唯一の人間であり、時を経る毎に理想化や崇拝化が進んで、すっかり好意を抱いてしまったのでしょう。

一方の主人公は、そんな女性の気持ちを知って、改心していくと。
正直、急に他人から救世主の様に崇められたら、戸惑うのが普通だと思うんでうよ。
ところが、本作の主人公は女性の気持ちに感化されていくので、個人的には共感し辛いものがあったかな…。
でもまぁ、もしかしたら女性の境遇と自分の境遇を重ね合わせたのかもしれないし、自尊心が下がりきった主人公にとっては、どんな好意であれ、救いに感じられたのかもしれません。

そんなわけで、個人的にはピンと来なかったものの、役者やディティールに関しては、しっかり作られており、見応えのある作品にはなっています。
韓国映画好きならチェックしても良いのではないでしょうか。
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