スローターハウス154

エンジェル ウォーズのスローターハウス154のレビュー・感想・評価

エンジェル ウォーズ(2011年製作の映画)
3.7
2020/4/28

公開当時から気になっていたやつ。アニメ・ゲーオタの望む要素の闇鍋的な。アニメにもゲームにも疎い自分だが、それでも、ロリツインテールにセーラー服..バトルモノ..といったら大正義セラムン世代の血が滾る。
派手なビジュアル、現実を妄想で叩きのめそうとする物語に惹かれるが、観終わって気付くのはその物語に込められたメッセージの強さ。“お前自身を生き抜け、たとえ物語の主人公になれぬ運命だとしても...。”
人間は皆、何かの物語を紡ぐために日々生きているんだと思う。誰もがその物語の登場人物だけれど、誰もが自分の望む役柄を得られるわけではない。その配役というのはいわゆる運命によるところが大きいのかもしれない。自分で望んだ役ではないかもしれないけど、人はみな自分の役柄を全うしなければいけないのだ。どんな端役の人生にも価値があることを証明するために。そして、やがて後世に物語を紡がせるためにも。
妄想で現実を殺っちまおうとするカンジ、テリーギリアム映画のアレやコレやに通じるものを感じた。
オスカー・アイザックが出ているのが意外。このエンディング歌ってるのは彼かな。やっぱ歌うまい。『インサイド・ルーヴィン・デイヴィス』しかり。