アンドレイ・タルコフスキーの遺作。
バッハのマタイ受難曲、 スヴェン・ニクヴィストによる長回しを多用した自然描写などの独特の映像美、レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画など散りばめられたメタファーによる、音楽と映像の結びつきは確信的。
また、タルコフスキーの宗教観、キリスト教が色濃く現れていて、人類への継承としてのメッセージのようにも受け取れるし、いささかの冗談のようにも感じられる。
本作は、カラー、退色、白黒とは3つのパートに別れていて、幻想シーンが挿入され、どこからどこまでが現実な区別が曖昧になる困惑の面白さ。
人類の過ちによる世界の終わり、神との対話、そしてサクリファイスの実行。深い精神性こそがタルコフスキーの哲学、奇跡を目撃した。
カンヌ映画祭グランプリ受賞。
【カンヌ映画祭映画】最低限みておくべきヨーロッパ映画10作品
https://narcos.hatenablog.com/entry/cannesfilmfestival-movie-osusume