サクリファイスの作品情報・感想・評価

サクリファイス1986年製作の映画)

Offret/Sacrifice

製作国:

上映時間:149分

ジャンル:

4.0

「サクリファイス」に投稿された感想・評価

ザックリとは伝わってくる。もう一回見るべきかも。タルコフスキーの中ではまだ理解出来る気がしました。
例えば正義が悪を倒すためには死の危険に身を晒さねばならないし、人間が成長するためには心地良いモラトリアムを脱するための苦渋に満ちた選択を迫られるもので、映画というモノガタリにおいて幸福や平和を得るためになにがしかのリスクを負わなければならないというのは普遍的な真理であって、ましてやたった一人で世界を救うとなれば相当の代償を支払わされるだろうことはキリスト教の思想にはイマイチ深刻になれない日本人の自分でも映画というものの性質上そりゃそういうものだろうと納得するんだけど、寧ろこの映画の主人公がそもそも無神論者だったという定説が疑問で、つまりニーチェの永劫回帰を信じると言う郵便配達員は超人思想を持つ無神論者なんだろうしオカルト好きというキャラクターでもそれと分かるけど(タルコフスキーはカトリックなのでオカルトを否定する立場の筈)永劫回帰を信じない主人公の方がむしろ神を否定しない立場ではないのかと一見して思ったし、事実息子を怪我させてしまった時も彼は神に祈っているが、実際のところ良く分からない。
神の在不在がより不確定となった現代で配達員のような人間は典型的な俗物で、主人公は狂人ゆえにより精神的な世界の住人であって物質文明を激しく憎悪している。
精神世界の象徴として日本文化が引き合いに出されてるのは我々としては背筋のむず痒いところ。

「魔女の力を借りて終末戦争から世界を救う夢をみたリハビリ中の狂人が更なる強迫観念とアホな使命感に掻き立てられ物質文化を滅ぼそうと自宅に火をつけ一生を台無しにする
 タルコフスキー版ドン・キホーテ」

モノガタリ上の事象だけを追うとこれだけの映画で、これくらい卑近な物語として観た方が気楽に楽しめるし丁度良く臓腑に落ちる気もする。
(日本人がキリスト的な命題を云々してもドツボにハマるだけので)
ズラウスキーばりの饒舌が文明批評に偏重していて少々説教臭いがそれもまたひとつの円熟の型か。
Palpatine

Palpatineの感想・評価

4.5
とても理解しきれなかったけどそれでも凄かった

アレクサンデルの不幸は何となくわかった気がする
俳優であった彼は、他の種類の芸術家と違って本当の価値あるものを作れないと考えている
庭のエピソードは彼の人生の失敗の縮図なのかもしれない

アレクサンデルの犠牲についてはまだまだよく分からなかった
東方三博士の礼拝にはどんな意味があるのか?
マリヤが「善い魔女」というのはどういうことなのか?とか。

この映画は湿地の水面や割れたミルク瓶といった液体が印象的だった
ラストシーンの燃える家は本当に美しかった
nana

nanaの感想・評価

-
ゆっくりなパンがとても眠くて眠くて、、。静かに燃える家が美しいっていうのも何だか変かもしれないけれど、ボーッと見ちゃうような光景だった。
フレーム外の描写が良い!
タルコフスキーが映画詩人と呼ばれるのが、ほんのちょっとだけ分かってきたような、、ただねむいだけじゃないってこと、、。
son

sonの感想・評価

4.3
アカデミー賞外国語映画賞って自分の中で当たりが多い。オリーブの木に込められた思いが壮絶。しかも平和はノアの方舟の由来らしい。創世記か。
ひとつひとつのセリフが重すぎる。そして真理を突いている、家族とその周りの話し。やっぱこの監督の構図すごいし、それをアートに落とし込み、かつ大衆に語りかける切り口に鳥肌が立ち、次世代に対するメッセージも。全人類必見の歴史的超傑作。
panpie

panpieの感想・評価

3.9
「ソラリス」を観る事ができた私は調子に乗っていたかもしれない。
どうしても「サクリファイス」の白骨の木が知りたくて挑んでみた。
でも冒頭から撃沈した。
宗教と哲学が台詞の随所に表れあまりにも難解だった。
演劇を観ているようだ。
私は残念ながら演劇にも疎い。
でもどのシーンも美しかった。
あの燃えてしまった家の家具の配置や揺れるカーテンが一枚の絵のよう。

巴の家紋が付いた着物をガウン代わりにアレクサンデルが羽織ったり尺八の曲を聴いたり日本に行きたいと言う台詞があったりやたらと日本に関する言葉や物が出てきた。
「ソラリス」でも日本の高速道路が撮影されたりタルコフスキーは本当に日本贔屓だったんだと分かる。

「ストーカー」も「ノスタルジア」もすっ飛ばしたせいかやはり理解が追いつかなく只々長く感じてしまった。
戦争の恐怖を描いていても憂いて泣き崩れたりはあったが割と自転車で出かけたりびっくりするほど淡々と優雅な暮らしをしている。
途中逃げ惑う人々を写している白黒のシーンがあったけど。

皆が探していた坊やは海辺の枯れた木に水をやっていた。
そして枯れた木は私の観たと思っていた木とは全然違っていた。
あれ?
あの白骨の木はどの映画だった?

子供の頃に行った道東のトドワラの風景が圧倒的だった事を思い出した。
トドマツの木が皆枯れて真っ白になっていた。
枯れた白くなった木が林を作っている沼地のあの景色は忘れられない。
あの風景が私の中で何故か今作で出てきた木と重なり間違った記憶が植え付けられていたのかな。
記憶というものは本当に曖昧だという事が分かった。
これに懲りず白骨の木を探すべくタルコフスキー作品を観て行こうと思う。
蝉丸

蝉丸の感想・評価

3.5
大枠はなんとなく理解したような気になっている。ちょっと耐えきれなくなったので3回に分けて鑑賞した。一気に観たら頭がパンクして寝ると思う。もし観るのであれば途中で諦めずに一度圧巻のラストまで観てみると良いと思う。初見でこれを全部解釈しきるのはムズい。ガムみたいに噛めば噛むほど味が出てきてスコアもだんだん伸びていくような気がするので今後も数年に一度ペースで鑑賞したいと思う。神を想定したら色々と楽になるのだろうか。内容とは関係ないが、映画に限らず全ての作品は受け手のリテラシーも問われるのだと(最近問われないようなわかりやすいものばかり受容していたので)改めて実感した。
1000

1000の感想・評価

3.9
『サクリファイス』再来。実に2年ぶり。
映画を見る目はともかく、大人しく座って2時間半見続けるだけの忍耐力は、着実と養われているらしい。

「死などは存在しない、死への怖れがあるだけだ」
静的なものへの安心感、動的なものへの恐怖によって、映画全体が敷き詰められていた。枯れ木に水をやるような「日課」が、轟音を伴う「儀式」によって侵食されることで、「おぞましく、動物的な死の恐怖」が支配する。
終末戦争だとか、魔女とのまぐわいだとか、「いちいち忙しいなぁ」という印象だが、要は父親が言葉を失い、息子が言葉を取り戻す話。これも一つの「言葉にまつわる思索」なのだろう。『永遠と一日』がこれのスピンオフに見えてくる。

ミルクがこぼれて色が失われる演出など、ハートフルすぎて愛おしい。これが"画"を”映”すということだよ。震えて眠れ。
ボビー

ボビーの感想・評価

3.6

このレビューはネタバレを含みます

なんじゃこりゃ。哲学的すぎて、あんまついていけん。とりあえず監督が日本好きなのは伝わった。
終盤、え、放火?てなったわ

絵画のオープ二ング
一貫して画面構成
水をあげる少年での終わり方は格好よかった。

うん、この映画は教養が無いと深く見れんのかな?アンダーグラウンド見た時と似たような感覚
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