8Niagara8

サクリファイスの8Niagara8のレビュー・感想・評価

サクリファイス(1986年製作の映画)
4.2
ノスタルジアと通ずるものも感じる。
とはいえ、セリフ量は増えた印象でその内容はより具体的である。それがまたこの作品が持つ意味合いを複雑にするため、なかなかハードな鑑賞だった。
戦争に対するネガティブな態度が通底し続けて、
無神論者が究極的な終末に相対した時悟りを開く。その境地はいささか宇宙的で、同時に我が人類の限界や小ささを顕著にする。
文明による劇的ともいえるあらゆる環境の合理化はやはり愚かしい側面が強いのではなかろうか。知恵を得た人類の宿命でもあり、原罪でもある。
戦争はその最たるものであり、タルコフスキーのアンチテーゼは極めてクリティカルである。

オープニングがあまりにも美しく、一気に引き込まれる。
途中のモノクロの美しさが図抜けていて、やはりタルコフスキーはモノクロでこそその映像が真価を発揮する。
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