ぼとる

セント・オブ・ウーマン/夢の香りのぼとるのレビュー・感想・評価

3.7
奨学金で高校に通う苦学生のチャーリーは、休暇中に盲目の退役軍人・フランクの世話を任される。彼の高圧的で自由気ままで性格に振り回されるチャーリーだが、旅の最中で関係性が徐々に変化していく…

アル・パチーノの演技がすごい。
全盲で感情が激しいという役どころを、目をほとんど動かさせずに、興奮した時の喜びや見栄を張って内にある悲しみを隠そうとする哀愁など、溢れる感情を仕草や言葉のテンポ、抑揚で見事に演出していました。

チャーリーとフランクの一種の師弟に似た関係性が中盤以降見ていてほっこりしました。自由気ままで掴めないフランクをチャーリーが振り回されつつも、彼の内側に触れることで、徐々に彼も肩の力を抜けて、彼と接することに抵抗がなくなり、関係性が深まっていくといった流れが良い。

しかし、フランクの行動や発言、ジョージとチャーリーの関係性など、ところどころ共感できない部分がありましたね。終盤の演説シーンもご都合展開すぎるというか、ゴリ押し感が強かったなと。拍手の場面も大袈裟というか。
ちょっと2時間半の尺も長く感じちゃいましたね。

タンゴのシーンは定評通り、素晴らしかったです。
ぼとる

ぼとる