従来の東映路線とは一線を画す、RODUCTION RYUJI(金子竜二)自主製作によるヤクザ映画。
脚本と・主演を兼ねた金子正次は、映画公開直後に、癌性腹膜炎により33歳の若さで逝去。
監督は金子の学生時代からの友人、川島透。初監督作品。
(1983、92分)
新宿・歌舞伎町界隈をシマにしているヤクザ三東会の幹事、竜二(金子正次)は違法なルーレット賭博を任され、2人の舎弟に仕切らせていた。
しかし、堅気になり別居中の妻まり子(永島暎子)と幼い娘あや(もも)と一緒に暮らすことを決意。
裏社会から足を洗って、酒屋の配達員として働き、2LDKのアパートで家族3人仲睦まじく暮らし始める。
だが、所帯染みた生活に居たたまれなくなる…。
「刺せば監獄、刺されば地獄」
~他の登場人物~
①ヤクザ
・舎弟、直(佐藤金造)
・舎弟、ひろし(北公次)
・親戚筋のやくざ、カズ(菊池健二):覚せい剤(シャブ)の常用者。
・柴田の情婦、あけみ ( 銀粉蝶)
②その他
・飲み屋の主人、関谷 (岩尾正隆):竜二の兄貴分だった元ヤクザ。
・関谷の妻( 小川亜佐美)
・就職先の酒屋店主(高橋明)
金子正次がヤクザと堅気の間で揺れる男を生々しく演じて、好演。
夫の心情を察する永島暎子もよい。