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一人息子のtsumumikiのレビュー・感想・評価

一人息子(1936年製作の映画)
3.9
「父ありき」の鏡像的な作り、というレビューを読んで観てみたくなった。

小津監督初のトーキ映画のためか台詞が少ない分、その沈黙の間がとてもいい。飯田蝶子の名演技、微妙な表情の移り変りで微妙な心の動きが見て取れる。母親という立場から「父ありき」よりも感情移入、共感できる場面が多かった。
母親も息子も終始切ない中に描かれる人間としての優しさに救われる、そんな味わい深い秀作だった。
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