一人息子の作品情報・感想・評価・動画配信

「一人息子」に投稿された感想・評価

だりあ

だりあの感想・評価

3.0
小津作品初のトーキー作品。
「父ありき」と通ずる母子の物語。
飯田さんの存在感がとても印象的。

息子が出世に向け奮起し、夫婦に流れる感情が見所、電話も普及していない時代ゆえに描ける、親子の絆が良かった。
efn

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3.8
 小津映画の親は息子が医者になれば仕事の邪魔だと邪険にされるし、夜学で貧乏すればもてなしに金がかかって文句が出てろくな目に合わないな。
 戦後の作品に比べると脚本にも画にもゆとりがない。そも東京物語に比べると贅沢をできるような状況にないので、同僚に借金するところから映画がはじまる。熱海旅行にあたたるものは諸事情で中止。立身出世を題にとっていることを考えると小学校時代の恩師がとんかつ屋になっているのも中々際どい。(秋刀魚の味とは趣が異なる)田舎で聞き飽きた工場機械の駆動音が東京でも聞こえる状況も皮肉っぽい。
 戦後ほど際どくはない、というか椅子に座ることがないので目立たないがイマジナリーラインを越える編集や土手の平行線に対して斜めに座るショットがちょいちょいある。
 
52H

52Hの感想・評価

3.7
親子の間にあるものはいつの時代も変わらないのだなぁと思います。それは本来なら美しい筈なのに、ほんの少しズレるだけでお互いを傷つけたりプレッシャーを生み出したりするもので、悪意が無いほど切なさが募る。小津監督が見ていたものは何だったのかを知りたいものです

このレビューはネタバレを含みます

せつない。せつな過ぎる。
最後の同僚に嘘をついた後のお母さんの悲しそうな顔…。
悲しくて泣くというより、胸が締め付けられて泣けなかった。
あと、自分だったら身を削って東京の学校に行かせたのに出世してなかったことより、結婚して子供もいるのに、それを言わなかったことに激怒しそう。
ずっと観たかった昭和9年(!)の小津作品初トーキー映画。

ある意味『東京物語』のプロトタイプ。

お馴染みのアングルとワンカットに、サイレント映画の解りやすさと それに音声が加わり今観てもとても観易い内容。

貧しい母子家庭ながら、一人息子を何とか大学迄行かせた母親。
東京で就職の報を聞き、成功した息子に会いに上京するが、目の当たりにした現実の生活は厳しく、上手く行かない状態に諦めている性根に憤慨するも、心折れそうな息子を叱咤激励し、或出来事によって最後は息子を誇らしく思い帰って行く…。

ザックリ簡単なストーリーだが、シンプルゆえに心優しくなる、浄化される様な作品だった。

…自分の母はまだ存命中なので、この映画を観てから少しでも多く親孝行しとかなきゃな~…と反省してしまいました~…(^_^;
OKWR

OKWRの感想・評価

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母と一人息子の気持ちのすれ違いもさることながら、息子の妻の置かれた立場がよりかなしくてつらかった。
kasa51

kasa51の感想・評価

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赤ちゃん起きませんね、夜泣きのおまじない効き過ぎ。
微かに我を呼ぶオールドブラックジョー♫
zhenli13

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3.5
諦観と悲哀しかない。うっすらと再起を誓う日守新一の科白にかすかな希望を覗かせるものの、故郷の製糸工場裏で力なく腰をおろす飯田蝶子の姿がこの物語に満ちる諦観と悲哀をぬぐうことはない。『父ありき』のような幼少期の親子の絆を描くシーンがほとんど無いこともあり、情感よりも侘しさが強い。
怪我をし入院した隣家の子どもの母(吉川満子)に日守新一が差し出す紙幣は、彼の妻(坪内美子)が自分の着物を売って工面したものであることから、彼の優しさよりも他人を巻き込む要領の悪さが見え隠れする。
最も侘しいのは、立身出世をねらい意気揚々と上京した元教員の笠智衆が背中を丸めごま塩髭でとんかつ屋を営む姿だ。

上京し再会した飯田蝶子と日守新一。上下の歯列をこれでもかと見せる二人の張り付いた笑顔が、その後の悲哀をさらに増す。
息子、母、息子の嫁の三人で夜鳴きそばをすする。麺をすすりながら会話をする難しいシーンの奥で、赤ん坊はずっと眠っている。この赤ん坊が目覚めることはない。
荒涼とした東京の新興地で飯田蝶子に抱っこされ「坊や。でっかくなったら何になるだ。坊やも東京で暮らすんかね」と語りかけられる赤ん坊は、やはり眠っている。すでに赤ん坊の未来も、(現代と同じ)格差社会の枠組みを抜けられない予感がある。

丸々として可愛らしい赤ん坊が目を開けることはない。目を開け、生きてこの世界の悲哀と諦観を受け止めることを拒否するかのように、眠り続けている。
『東京物語』へとつながる親子の心のすれ違いを通して、社会に生きる難しさと、それでも回り続ける生活の断片が上手く切り取られています。
田舎で一人息子を女手一つで懸命に育てた母親が東京暮らしをしている成長した息子に会いに行くお話です。小津安二郎監督の初のトーキー映画です。監督は別名義のゼームス・槇で原作も書き下ろししています。この作品も極端なローアングルですね。生糸を生産している様子はあゝ野麦峠を思い出しました。工女が一人で息子を大学までやるなんて苦労を考えると泣けてきます。当たり前だけど東京の風景も今とは全然違います。舗装されていない道をタクシーに乗っていた親子は恋人同士のようにも見えました。母親役の飯田蝶子のラストの演技が印象的です。
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