湯っ子

青いパパイヤの香りの湯っ子のレビュー・感想・評価

青いパパイヤの香り(1993年製作の映画)
4.0
指先でそっと触れる、そのさまのなんと淫靡なこと。
こどもが悪戯に虫を殺めるさま、
青いパパイヤをふたつに割るとあらわれる、びっしりと並んだ無数の種の中から、ひと粒をそっとつまんでみるさま。
水を浴びて滴る、そのさまのなんと美しいこと。
雨上がりの樹木に息づく蛙の背中、からだを清める女のひたいからしなやかな黒髪にかけて。

はたらく、というのははた(端。周りの人など)を楽にするからはたらくというのよ、と教えてくれた人がいた。ムイを見ていてそれを思い出した。
粛々と、持ち場を全うする者は美しい。

生活音が心地よく、豊かな自然を驚くほど官能的に撮る。インテリアが最高に素敵で、お料理がどれもおいしそう。
そういえば、ベトナムへの旅を夢見て、紀行本を読み漁っていた時があったな。またそんな気持ちが湧いてきた。いつか、仲の良い女ともだちと行ってみたい。
湯っ子

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