櫻子の勝手にシネマ

青いパパイヤの香りの櫻子の勝手にシネマのレビュー・感想・評価

青いパパイヤの香り(1993年製作の映画)
3.6
物語の舞台は1951年のベトナム。10歳の少女ムイがサイゴンにある一家に使用人として雇われるところから始まる。
その家庭の家族構成は、音楽が大好きで放浪癖のあるダメ親父、そんなダメ親父の代わりに布地屋を営み家計を支える肝っ玉母ちゃん、社会人の長男チェン、中学生の次男ラム、小学生の生意気な三男ティン、ダメ親父の母親である祖母、長年この家に仕えている年寄の女中ティー。

10年後、美しく成長したムイが長年憧れていた新鋭作曲家のクェンの家に雇われる事に。
クェンには婚約者がいるが元々あまり乗り気ではなく、そのうちクェンもムイに惹かれるようになり2人は結婚する。
ラストはクェンの子供を授かり幸せに暮らすというハッピーエンド。

話の流れとしては一種のシンデレラストーリーなのかな?
物語の終わった後に恐らくベトナム戦争(1955年〜1975年)が始まるので、ムイとご主人が安全な国へ亡命できたらいいけど。

セリフが少なくてちょっと物足りないかなと思うけれど、映像美は素晴らしく、流れるような画面の切り替えとゾクッとする官能性。
パパイヤはエロスの象徴と指摘する人が多いけれど…うん納得(笑)
パパイヤを2つに割るムイ。中からは整然と並んだ白い種が表れる。その種にそっと触れるムイ。
映像の力による隠喩とでも言いましょうか…
ゾクゾクとします。

「最近なんか疲れてるな〜自分」と思った時にオススメの一本。