櫻子の勝手にシネマ

ファースト・カウの櫻子の勝手にシネマのレビュー・感想・評価

ファースト・カウ(2019年製作の映画)
3.0
物語の舞台は1820年代の西部開拓時代。
場所はオレゴン、アメリカの33番目の州になったのが1858年らしいので、まさに開拓時代真っ只中といったところだろう。
いわゆる一攫千金を夢見てという時代だが、ここでは金ではなく毛皮のようである。
映画でもビーバーを捕獲している場面がある。

本作の主人公のクッキー(ジョン・マガロ)とルー(オリオン・リー)が一攫千金を狙うのは金でも毛皮でもない、穴の無いドーナツのような揚げ菓子(ケーキ)だ。
ただ、この2人には一攫千金を狙うギラギラとした雰囲気は全く無い。
おまけに、2人とも開拓時代の男たちという荒くれ者のイメージも皆無である。

映画冒頭に『鳥には巣、蜘蛛には網、人間には友情』という言葉が引用されているが、クッキーとルーとの間に熱い友情というテーマは当てはまらない。
しいて言うなら、2人がひょんなことから仲良くなっていく過程を、じんわり地味に描いている…と表現したほうが正解だろう。

私の本作のイメージは『牛』『スウィーツ』『ソウルメイト』の3つ。
あとは全体的に暗くて観づらい。
全体の3分の1は暗すぎてよくわからなかった。