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大根と人参のLEONkeiのレビュー・感想・評価

大根と人参(1965年製作の映画)
3.3
在りふれた大根も人参も色や形も味だって違い、色んな料理によって在りふれたモノが在りふれないモノになる。



遺作となった小津安二郎『秋刀魚の味』の後に、次回作として原案・構想していたが未完成に終わったのが今作『大根と人参』。

20大スターの共演『小津安二郎記念映画』と銘打って松竹が、渋谷実を監督に起用し製作されたヒューマンコメディ。

あまり見られない貴重な〝笠智衆〟の感情豊かなコテコテな演技と、小津映画に携わった俳優陣の夢の共演だけでお腹いっぱいになる。

Filmarksのキャスト表記以外にも多数個性的俳優が出演している。

残念ながら小津テイストを継承している訳では無く全く別物の作りになっているが、なんだかホッとする松竹独特の素朴で安定したコメディは普通に面白い。



本日8月31日は〝野菜の日〟らしいが、トマト?ズッキーニ?パプリカ?エシャロット?…

在りふれた大根や人参も見向きもされなくなったら、羽目を外して現実逃避してしまうかもしれない..★,
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