LEONkeiさんの映画レビュー・感想・評価

LEONkei

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ホラー・エクスプレス/ゾンビ特急地獄行(1972年製作の映画)

3.0

ドラキュラ伯爵役と言えばホラー系映画の大スター〝クリストファー・リー〟で『吸血鬼ドラキュラ』が最も印象的。

その吸血鬼ハンターなど怪奇映画の大スター〝ピーター・カッシング〟は『吸血鬼ドラキュラ』で〝
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乱れからくり(1979年製作の映画)

2.0

作家〝レイモンド・チャンドラー〟が生み出したハードボイルド小説で登場する探偵〝フィリップ・マーロウ〟の様になりたくて…。

職なし、金なし、夢もなし、安易に探偵社に志願して即採用の探偵物語。

内容は
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リラの門 4K デジタル・リマスター版(1957年製作の映画)

4.0

役立たずのロクデナシは酒に溺れて苦しみを紛らわす、セーヌ川の水がワインに変わればいいと…。

しかしロクデナシの描く絵空事は儚い夢だとしても、其の姿は虚しくも美しい人間のロマンチシズム。


全てのシ
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アンノウン・ボディーズ(2017年製作の映画)

2.0

もう少し犯人の動機など人間関係を含めた背景を描いてくれないと面白味が半減する。

人気小説を原作としたスウェーデンの『ミレニアム』やデンマークの『特捜部Q』は良く出来ていたので、同様にベルギーの人気小
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ピクニック(1936年製作の映画)

3.5

自然と人間の対比がバランス良く描かれ、一瞬の出来事は情熱の戯れと平静な直向き。

其れがドラマティック。



そんなに遠くに行かなくてもいい。

小さな公園のサクランボの木の下でシートを敷いてシンプ
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殺人カメラ(1952年製作の映画)

3.3

真面目にコツコツ働いても全く報われない、我が物顔で闊歩する気に食わない奴らは殺してしまえッ!!

デス・ノートならぬデス・カメラを手に入れた貧しい写真館の男の喜劇。

何故そんなに慌てて走るんだという
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FALL/フォール(2022年製作の映画)

3.0

馬鹿と猿は高い所が好き…。

登山家〝ジョージ・マロリー〟は言った「なぜ、山に登るのか。そこに、山があるからだ」

何故、彼女らは命の危険を犯してまで高い塔に登るのか…、そこに塔があるからだと言ったか
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ロバート・アルトマンのイメージズ(1972年製作の映画)

3.8

逃れられない幻影の盾に対峙する精神構造の歪みに人間は、夢幻泡影に塗れながら真の姿を蒙ることはできるか。

この世の不思議か自分の事を最も知っているのは自分自身なはずなのに、自分の思考が何処か遥か遠い異
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ニーナ ローマの夏休み(2012年製作の映画)

2.0

奥が深そうで奥は浅く、
意味が有りそうで意味は曖昧、
面白そうで面白くない。

無機質で比較対象的な建築物の構図や洗練された描写はとても美しいが、物語との整合性が弱く其の美しさが無駄に思えてならない。
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林檎とポラロイド(2020年製作の映画)

3.0

林檎は記憶力の低下を予防する果物と言われている。

司馬遼太郎が何かの書き物で言っていた『林檎〈りんご〉は日本語としての発音の響きが賞でて美し』自分も同感だ。


年齢を積み重ねるとともに記憶は永遠で
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色情旅行 香港慕情(1973年製作の映画)

1.5

九龍半島の北東端にある啓徳空港の上空を旅客機は滑走路No.13に、いま正に機体を傾け最終進入体勢で着陸しようとしている。

ビル群ギリギリを低空飛行する世界で最も危険でパイロットにとっても最も難易度が
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ミス・メドウズ(2014年製作の映画)

1.5

いくら相手が極悪人だとしても実際やってることは物凄く残酷で恐ろしい必殺仕置人…。

しかし其の残酷で恐ろしいお仕置きが全く表現されていないのが残念で、ギャップ感を出したかったのか其れも違和感と緩い描写
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宇宙のデッドライン(1960年製作の映画)

2.0

これは宇宙のデッドラインではなく人類のデッドライン、例え人類は滅びても宇宙も地球も当分なくなることはない。


よくあるタイムトラベルな『猿の惑星』のプロットと若干似通っているが1960年から観た20
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希望の灯り(2018年製作の映画)

3.5

更地に忽然と建つ郊外の大型ショッピングセンターは人間社会と隔たり、ある種ユニバース的な巨大要塞で異質な隔離空間。

陳列棚を霞め走る暗闇のフォークリフトは浮遊する宇宙飛行士の操縦ユニット、資本主義の象
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犯人は21番に住む(1943年製作の映画)

2.5

連続殺人事件を追うミステリーに於いて居場所を特定する『犯人は21番に住む』と言う強気のタイトルは、デパ地下の試食でA5ランクの松阪牛のステーキや大間のクロマグロの大トロを好きなだけ食べさせるような強気>>続きを読む

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

2.2

癖の強い個性的な人物が沢山登場しているのに実際は物凄く少ない登場人物と言う、一本でもニンジン、一粒で二度美味しい、一粒で三度美味しいと言うのもあるらしいが徳なのか損なのか良く分からない作品。

当然な
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素直な悪女(1956年製作の映画)

3.3

ベッドで寝てる〝ブリジット・バルドー〟をミシェルがカラダをゆさゆさと揺すって起こすと、寝ぼけて『ふぇーーーーッ』と仔ヤギの鳴き声の様な奇妙で間の抜けた声が幼気で可愛い。

此れがあるから自分は俳優の声
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汽車を見送る男(1953年製作の映画)

3.3

あの汽車の行先は楽園なのか地獄なのか、男にとっては夢のまた夢。

オランダの商社に長年経理主任として地道に勤める汽車が大好きな白髪混じりの中年男は、誠実で正直で几帳面で道徳心が高い故に予期せぬ不測の事
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

2.0

色々な意味を含め令和版らしい『ゴジラ-1.0』は老若男女家族全員で楽しめるココロに柔和な印象。

時代性の創作だとしても在るものが無く無いものが在る違和感は否めない、突っ込みたい所は多々あるが70周年
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乙女の星(1945年製作の映画)

3.5

純粋で美しく穢れのないココロは上品で繊細、だからこそ傷つきやすく脆い…、いのち短し恋せよ乙女。

恋をするから月や星が美しく見え、恋をするから月や星が悲しく見える。

見えないものが見え、見えるものが
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Smile Before Death(英題)(1972年製作の映画)

3.5

一種独特の世界観を確立している70年代イタリア・エロティック・サスペンスは(必ずしも全てがサスペンスとは限りません)昔々深夜放送のテレビで鑑賞したもので、家族が寝静まったリビングで罪悪感に苛まれながら>>続きを読む

聖なる泉の少女(2017年製作の映画)

3.5

天高く風に舞う灰色の高積雲は壮大な山岳を包み静寂の湖は冷淡に沈黙する、山岳地帯の薄い空気は大自然が独占し人間の居場所はひっそりと片隅に。

トルコと国境を接するジョージア南西部のアチャラ地方の田舎で先
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獣人(1938年製作の映画)

3.0

引かれたレールは変えられなくても目的地は自分自身で変えられる…。


石炭、油、煙、熱風に煽られながら真っ黒になって機関車を走らせる姿は過酷だが手際良い、確実に目的地へ進み絶対に軌道を逸脱しない引かれ
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告白的女優論(1971年製作の映画)

2.5

人間が識別可能な表情は、喜び、驚き、恐怖、嫌悪、怒り、悲しみ、無表情の7種類。

女優とは人を欺くプロ…。

大衆に晒す其の顔は真実を覆い隠す偽りだったとしても、人々のココロを揺さぶる力を女優(俳優)
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.0

今にも雨が降りそうな曇天の空は鉛色でドス黒く寂寞に染まる、美しく鮮やかな緑色の地面を覆い隠す隔たる現実。

何かが始まり何かが変わり何かが終わる、冒頭数秒間の情景が最も印象に残る。

人間は出会った約
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ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)

3.8

信じることは悪ですか善ですか?

何かを信じると言うことは自分自身を信じなければ何も信じることはできない。

信じることは善か?悪か?
運命を委ねる決断に於いて正解か不正解かを考えることより、決断する
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狂ったバカンス(1962年製作の映画)

4.0

巨岩は一瞬にして粉々に砕け散る希望、二度と浮かび上がらない深海に沈む情熱、1600℃に燃えたぎる太陽に照らされて男は即死する。


社会を動かし時代を切り開く現世代は常に流動、些々たる旧世代は片隅で静
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(1939年製作の映画)

3.5

其々シーンは在り来りで中盤まで若干の緩さを感じてしまうが其れは終盤への布石、しっかりとした筋立てと主人公の印象が徐々に変わっていく様子が面白い。

若い女性ばかり狙われる連続失踪事件を追う。

出来る
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バニシング '72(2019年製作の映画)

2.5

主人公〝トラヴィス・フィメル〟の落ち着きがなく悲壮感に満ち終始涙目(の様に見える)な形相は、単純に銀行強盗をした其の行為ではなく行為其のものを7年間隠し続け生きてきた行為にある。

ニクソン大統領の隠
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血は渇いてる(1960年製作の映画)

3.5

弱肉強食の資本主義社会の残酷さの中で人々は生きることに精一杯で真実を見失う居場所のないカオナシ状態、売上至上主義で記事の為なら手段も真実も問わない醜惡なマスメディアの汚さを吉田喜重が痛烈に描くブラック>>続きを読む

オレンジカウンティ(2002年製作の映画)

2.0

ラムネ色の空に浮かぶ雲の切れ目から天使の梯子が地面を照らした道を歩き、見知らぬ裏路地の角を曲がれば何処からともなく柑橘の懐かしい香りが漂う。

初めて来たはずなのに見覚えのある道、ここは前に来た道。
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レイジング・ケイン(1992年製作の映画)

2.5

二重人格を題材にしたデ・パルマのサイコパスな犯罪サスペンスだが、何が怖いって〝ジョン・リスゴー〟の女装が最も恐ろしい。

スローモーションや独特な描写を駆使するデ・パルマカットは健在だが、物語としては
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モニカ・ベルッチの情事(1992年製作の映画)

2.5

好き嫌いは別としてそもそも同じ人間かと思うくらい麗しい美貌とバランス良いカラダは、AI生成したような若き〝モニカ・ベルッチ〟に見惚れているうちに映画は一瞬で終わった。

生粋のモデル体型なので一般的な
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鉄道運転士の花束(2016年製作の映画)

2.5

鉄道運転士にはなりたくない。

命に関わる物凄くシリアスなストーリーの筈なのに全く其れを感じさせない、だからと言ってコメディではなく平凡ではあるが人間味溢れる人々は淡々とやるべき事をやる。

物事に慣
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プロセッコ殺人事件(2017年製作の映画)

2.0

イタリア・ヴェネト州の小さな田舎町にあるワイン畑は広大で夕日を浴びて輝き放つ美しさは絶景、大自然の中で育まれた果実と泡に魅了され昔ハマったプロセッコの味が蘇る。

B.Bキングと言う名の大きなマレンマ
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果しなき欲望(1958年製作の映画)

3.3

人間が欲望を失ったら何の為に生きればいいのか。

ただ過剰に欲望を剥き出しに飢えたハイエナの様にガツガツするのは下品で傍から見れば貧相でならない。

例え貧しくともココロまで貧小になっては卑しく偏屈で
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