TakayukiMonji

祇園囃子のTakayukiMonjiのレビュー・感想・評価

祇園囃子(1953年製作の映画)
4.0
祇園の舞妓芸妓の世界を舞台にした、溝口健二監督作品。
昨年度までの部署で、8年間懇意にしていた取引先の専務が京都での会食で舞妓さん芸妓さんを呼ばれることが多く、上七軒や木屋町など馴染みのある固有名詞と、祇園の当時の様子がシンクロしてリアリティを持って話が入ってきた。
現代にも脈々と受け継がれる芸者文化だが、劇中でも”生きた芸術作品、無形文化財”という表現が出てくるが、その裏には旦那衆というスポンサー制度があり、赤裸々に描かれている。今ではさすがにこんな感じじゃないけど、どうしてもこういうイメージは消えないよな。
この映画の最大の魅力は木暮実千代と若尾文子の美しさとそれを引き立てる芸術的なカット割り、本当の姉妹のように絆が深まっていく2人の様子が沁みます。

あと、京都発祥の髙島屋さん!あの包み紙のまま、70年前の作品にもしっかりと名前が出てくるあたりは、さすが名門。昨今、百貨店の栄枯盛衰はあるものの、京都での髙島屋ブランドは絶大だな、と映画を通じて噛み締める。
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