落ち目を迎えた海洋ドキュメンタリー監督は、仲間とともに未知の生物を探す航海に出る。クルーたちの関係は もつれて家族のようにはいかず、ハプニングも続くけれど──人生は冒険、順風満帆でなくとも突き進め。
憎めないけど好ましくもない、残念な大人たち。
彼らが格好つけることも愛嬌を振りまくことも許さずに、彼らをダメなまま肯定しようとする。これがアンダーソン監督作品なりの、ダメ人間の愛し方なのかもしれない。
脈絡ないストーリー、ブラックなギャグ。そんな映画の「外し」にハマれたらいいけれど。楽しむには、ファンシーなデフォルメの魔法がもっと欲しい。
生臭い人間ドラマなんかミニチュアサイズに縮小して、アニメーションの海洋生物や船が可愛い世界に放り込んじゃって。