このレビューはネタバレを含みます
まず何が凄いかと言うと、こんな娯楽性もない地味な映画を撮れる、アレクセイ・ゲルマンMIは、恵まれた環境にあるのだなと言う事。親が巨匠でなければ絶対撮れなかった映画であると言う事。それから社会主義が崩壊する以前であれば内容的に絶対撮れなかったであろうと言う事。ある意味ゆるい条件下で作られたものである以上、医者の苦悩も、社会批判も誰かの二番煎じでしかなく薄められた味しかしない。ただ映像的には曇天で統一された感じといいジメジメした空気感といい、原色を使わない抑えた色のトーンといい統一感が素晴らしいのではあるが、ある意味単調で退屈。🐫や手品🎩ネタが出てくる事が不自然で欝屈した雰囲気が一気に冷めてしまう。とはいえ才能が凄く感じられるので今後に期待したい。