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マネキンのmizukiのレビュー・感想・評価

マネキン(1987年製作の映画)
4.8
「みな自分の作品に恋をするもの」
すごくわかるし、すごくいい…。

ちょっと、この大謙虚世間の中では全然気軽に言えないことなんだけど、私は自分がアウトプットしたものがめちゃくちゃ好き。自分が書いた文章は自分が一番読み返しているはずだし、録音した自分の歌声を聴いて楽しんでいる。なぜならば、込めたこだわりが全てわかるから。こだわればこだわるほど、芸術だと思うから。
もちろん、他人にとって、私のことなんてどうでもいいことはわかっている。自分は世の中では特別ではない。でも私にとっては私が一番特別。
昔から、自尊心が高すぎるが故に、おそらくあまりよく思われないことは多々ある。あった。そういう事実に向き合うこともあって、わざと悲観的になってみたり自分を追い詰めたりすることもあるけど。
…まあいろいろやってみた上で、世間から孤立することで平穏を保つ、という選択をしている。本当に、あまりどこにも出かけない。自分が作った空間で、自分が作ったご飯を食べることが、一番安くて楽しいから。たまに他人が作ったものにも触れないと、生きてる実感が湧かなくなるけどね〜そこはいい塩梅で。

孤独が好きだけど、人も好き。人との関わり合い、つまり干渉のし合いで、想像もつかない面白い化学反応が起きる。私の好きな人は、少し変わった人や苦労人が多いかもしれない。カテゴライズを使ってしまうと…いじめの経験がある人だったり、片親の人が多いかもしれない。あとは、精神疾患の経験がある人。多かれ少なかれひりひり痛い思いをしたことがある人は、自身の哲学を持っていることが多いように思う。だから、たまたまじゃないのかなーと思う(最初から人生背景や境遇をを聞くなんてことはありえないけど、後々、あなたもなのね、となる)。辛い痛い思いは、しないに越したことはないけど、哲学形成には役に立っているみたい。役に立ってしまった、のか。
それなりに乗り越えている人は、擦れていなくて、素直にものを言う。また、「この人の前では重い話なんて存在しない」、と思えるくらい、どんな話でもどんとこい、な貫禄がある。一旦性別すら脱いで、対等に話せるところが、本当に好きです。


自分がこだわって作り上げたマネキンとの結婚は、自分の脳との結婚ですよね。私も、自分の脳と結婚したい。でも、一番の願望ではないかも。他人からの刺激を程よく得られる生活をする、となると、ある程度理解のある他人と結婚したほうが人生楽しそう。

気休めのつもりでみはじめたらめちゃくちゃよかった。
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