ドキュメンタリーからフィクションへと移行した時期のキェシロフスキのテレビ映画。
3年間の投獄を終えて出所した男が、仕事を得て家庭を持つ平穏な暮らしを手に入れようとするも、職場で雇用者と労働者の対立に巻き込まれてしまう物語です。
組織の中で理不尽に潰されていく個人というテーマはこの時期のキェシロフスキらしくてとても良かったですが、設定をストーリーにまで昇華しきれていない印象で、その点後の傑作「アマチュア」はやはりよく出来ていたと感じさせられました。
身重にも関わらずフットワークの軽い妻が印象的でした。