モモモ

劇場版 空の境界/第三章 痛覚残留のモモモのレビュー・感想・評価

4.0
戦闘描写は皆無だった(剣術シーンはあったが)二章から一転、一章の流れを拡大する異能力バトルアニメが主体の三章。
一章の前で、二章の後に位置する三章と言う複雑な構成。原作もこの時系列なのだろうか?時系列シャッフル物だとは思って観てなかったので二〜三章の流れは素直に興奮。
パズルが徐々に埋まっていき、答え合わせと考察が捗っていく感覚が楽しいですね。
陵辱された無痛症の女性による暴走と虐殺。しかもその女性は主人公(厳密に言えば本作の主人公は黒桐ではなく式なのだろうが)に学生時代から好意を寄せており…って、完全に桜じゃないですか。モチーフやテーマの繰り返しは好きですね。これこそ作家性。
無痛症の振りをしていただけだったのだ…!な展開に混乱しつつ(どこからが演技でどこからがマジだったのか、腰を殴打されて痛みが戻ったんじゃなくて、ずっと痛みを感じない振りをしていたの…?)そこから開示される異能を求める両家の存在と抑圧された故の覚醒と求められた故の覚醒と言う対比。
写輪眼とかと同じですよ。空間を捩じ切る能力に、全てを見透かす能力。熱い厨二展開だ。
義手になった件を本作で回収しつつ、殺人衝動と式の人格の謎は深まるばかり…。
やっぱ過去の連続殺人は衝動から来た式の犯行だった…!?との意識のさせ方が露骨な気がするので、ミスリードに違いない!!
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