田所Hancock

ゴールキーパーの不安の田所Hancockのレビュー・感想・評価

ゴールキーパーの不安(1971年製作の映画)
3.9
ヴィム・ヴェンダース監督長編デビュー作ということですが、後の監督の活躍を予兆するような作品でした。
あらゆる不安を抱えた主人公は「まわり道」にも繋がってくるし、主人公がポケットに手を入れて風を切りながら歩くシーンは「都会のアリス」へと繋がっていきます。
そして今も出ましたがこの作品のメインテーマ"不安"を描く描写が素晴らしい。
デビュー作には作家の全てが入っているという言葉がある通り、今作にはヴィム・ヴェンダース監督の全てが入っています。
ある意味原点にして頂点な気がする。
夜行バスや田舎道などロードムービー的描写も、一見面倒臭くも見えるが美しい人間描写。
そしてなんと言ってもラストシーンですね。
凄くモヤッとしたものが残るけど、今不安や悩みを抱えてる人にはかなり勇気の貰えるラストシーンになっていると思います。
こんなラストシーンも後の「まわり道」に繋がってきたりする。
あらゆる視点から評価されるべき傑作です。
田所Hancock

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