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バニラ・スカイのharu3uのレビュー・感想・評価

バニラ・スカイ(2001年製作の映画)
4.0
父の大手出版社を継ぎ富も名声も得た主人公だが、自動車事故に巻き込まれ顔が醜く変貌してしまう。完璧な人生から一転、絶望に見舞われた男は、次第に夢と現実の境を彷徨うように。

“バニラスカイ”とはモネの絵画のような、淡い薄紫色に染まった空のこと。香りと裏腹に苦みの強いバニラは、蕩けるような甘ったるい悪夢の象徴か。
オリジナル版『オープン・ユア・アイズ』では抜けるような青空だそうなので、見比べたいところですね。

華やかなキャスト陣も見所で、若かりしトム・クルーズ、ペネロペ・クルスがはまり役。
キャメロン・ディアスが男の心変わりを敏感に察知し、ストーカーと化す女を演じています。彼女の健康的で底抜けに明るい笑顔を、ホラーばりに恐ろしく思うなんて。

監督は音楽センスに定評のあるキャメロン・クロウ、本作ではRadioheadの“Everything in its right place”に始まりSigur Rósの“Untitled 4”で終わる。どちらも大好きなバンドなので大興奮!
この手のオチは賛否両論あるでしょうが、嫌いじゃなかったな。全てが繋がり謎が解ける快感は損なわれていないと思います。
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