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最高殊勲夫人のkenkenのレビュー・感想・評価

最高殊勲夫人(1959年製作の映画)
2.8
「時代だね〜」で済ますには余りにもな男性観、女性観、結婚観にクラクラするが本当にそういう時代だったんだろう。セリフの節々だけじゃない、使用人への態度とか観てるのもキツいしそれが無批判に映し出されてる事自体もキツい。いや、そこに作り手の批判意識はあったのかもしれない。大島家の使用人の目線に引っ掛かりを残すし、終盤テレビ局の社長が不躾に女性社員に指示するのとかわざわざ映さなくていいもんな。
でも何か明快な逆転があるんじゃないかと期待してしまったんだよな。それがどんどん残り時間が少なくなっていき、オイオイ嘘だろ?と思ってたらそのまま終わって苦笑い。結局桃子の策略通りに収まってる訳だが、これが当時の幸せって事か。

ただ、製作時の社会通念を理由に、今の価値観で以て作品そのものの否定に走るのは馬鹿げてると思う。小気味良い展開に痛快さも十分で、この映画の質が悪いとかでは無い。ただ今の自分には合わなかっただけ。それだけ。
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