愛人ジュリエットや天井桟敷の人々などで知られるマルセルカルネの作品。15世紀のフランス城に二人の悪魔の使いが訪れる話。
愛人ジュリエットが傑作だったので鑑賞してみましたが、今作もまたおとぎ話ならではの美しい世界観の作品でした。撮影、照明、セット、ロケーション、特殊効果などが愛人ジュリエット同様に良かったです。今作はストーリーが恋愛ファンタジーだったため、マルセルカルネっぽいなっていう瞬間が多々あった一方で、男女のいざこざを描いたフランス映画らしい要素も少なくはありませんでした。ただ良くも悪くもこの男女のいざこざのせいで共感しにくい作りになっていた気がします。今作は全体的に主要人物が多く、尺も長かったです。アンヌ、ジル、ルノー、ユーグ、ドミニク、悪魔の合わせて6人メインキャラクターがいましたが、正直一番悪魔っぽくて、魅力があるように見えたのがドミニクでした。でもまあドミニクにしても中途半端に描かれるくらいだったら、最初から物語の軸をアンヌとジルの二人に絞っていた方が良かったと思います。