マルセル・カルネ、1941年。
15世紀フランスを舞台にした、ある伝説が語られる…。
「人間を恐怖に陥れる為、悪魔が手下を二人地上に送った。」
初っ端やめてーーー!
何でそんなことするの!
城中の人や花婿が案外クソに描かれてる。冒頭コミカルな描写もあり、ルネ・クレールを観たばかりなので、もしやコメディ・ファンタジーなのかと思いきや、すぐに全然違った。
悪魔サスペンス。
姫ちゃんがこれでもかと酷い目に遭う。
姫ちゃんは、一人だけ目立って近代的自我の持ち主なのよね。
作品にはナチスへのレジスタンスという意味を込めたとか込めないとか。
「中世、悪魔」という世界観ではむしろ豊穣を切ってしまった感じもしてくる。中世に行ったこともないし、悪魔に会ったこともないけど。
悪魔の立ち位置も正義を司るかのような登場から内在する悪魔に、しまいに駄々っ子みたいなディズニー感で、それも悪くないけど最初の有無を言わせぬ威厳はどこ行っちゃったの!まあいいか。
特撮もセットも衣装も良かった。恋人達の決して支配されないという決意表明もやはり当時の世相に照らせばうなづかざるを得ないし、実際二人の姿は美しい。サスペンスから人間ドラマへの移行も悪くないか。次作はあの大作『天井桟敷の人々』だもんね、巨匠!
悪魔に関してはもう少し自分勉強しよう。