言わずと知れた津山三十人殺しを基にした、西村望原作小説の映画化。
津山三十人殺しと言えば横溝正史の「八つ墓村」が思い浮かぶが、今作の方が史実に近い。
古尾谷雅人の、ひょろひょろとした身体つきの気弱な青年が、狂気に至るまでの演技はさすが。
殺戮のシーンは、実際の事件もこんな凄惨な様子だったんだろうと鳥肌が立った。
田中美佐子演じる唯一優しい女性を登場させたせいか、主人公の歪んだ信念に妙な哀愁を感じさせる。
実際の事件の犯人、都井睦雄には彼女の様な存在はいなかった。
田中美佐子の、成熟しきっていない細い裸体が可憐。
