えいがドゥロヴァウ

スキャナーズのえいがドゥロヴァウのレビュー・感想・評価

スキャナーズ(1981年製作の映画)
3.7
特別な能力を持ったスキャナーという存在
その喜びは皆無
あるのは苦しみ、不安、孤独、憎しみ
この陰険さ、クローネンバーグ印
ハワード・ショアによる音楽が非常にマッチしていますが
彼は本作以降すべてのクローネンバーグ作品の音楽を手がけているのだそう

クローネンバーグは特殊メイクなどのビジュアル面に関するイメージが強いけれど
ストーリーテリングもかなり丁寧ですね
スキャナーの起源などもしっかり盛り込んで
観客を全然置き去りにしません
クローネンバーグはキワモノではあっても
カルト作家というほどではないのでは、と思えます
愛嬌のあるグロテスク

ラストの決闘の描写がとっても良かった
脳内の闘いなので基本は「アババババ」ってなっている役者の表情を眺めるだけなのですが(これが秀逸なのだけど撮影風景を想像すると笑ってしまう)
血管ボコボコ顔面ボロボロ人体発火に白目で絶叫
壮絶な闘いでございました