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ワンダー・ボーイズのとぽとぽのレビュー・感想・評価

ワンダー・ボーイズ(2000年製作の映画)
4.0
雨は心地よい、雪は冷たくて木は温かい、そういう感覚をこの作品は携えている。作品に触れることはその人に触れること。

日常の些細なことに目を向けた緩めな文学発コメディ。"神童"達とその取り巻きについての未熟さと枯れた洞察。若かりし頃?の豪華キャストにカーティス・ハンソン万歳!人と物、人と人の入れ方が巧みな構図の作り方・撮り方がウマい。色んな文学的・芸術的引用が造詣の深さを感じ、素晴らしい。台詞や設定?も小説から来た感じが凄くするし、それが好き。ケイティ・ホームズがぐうかわいい。ハッパで落ち着く、浮気性な教授って如何にも型破りな感じがして好きになれないけど、これは上手く行っている、気がする。よくあるキャラの設定・相関図を拝借した上で、自由気ままの印象のまま書き連ねた結果。ただ、緩いしナレーション多いから、こういうの苦手な人は苦手かもしれない。けど僕はこれを楽しめる人でほんと良かった。理解できないテンプレ変人な作家の虚像と、ついてない日々。年老いた者は嘆き、若き者は血肉とする。

何が誰かの才能(価値)を決めるのか?それは他の、主に後世の誰かが戦歴や死に方について語られるか、思いを馳せるかどうかなのかも。だってどれだけ抗っても自分は自分だし、けど客観的評価も大切だから。意図せず伝記や噂が人を形作る、ビニールハウスみたいに筒抜け・丸見えで。純真であることは時に厳しいが、それでも、いくつになっても人はそれを追い求めてる。無くしたナップサックみたいに。皆何処かでイカれては、小さな町の中でそこから抜け出す道を探してアクセク走り回っている。あと、歳を取っても恋して、トキメいていたいね。ラブ・パレード。
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