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陽のあたる場所のakubiのレビュー・感想・評価

陽のあたる場所(1951年製作の映画)
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完璧すぎる暗闇に堕ちてゆく。あの湖はすべてを受け入れ、アビだけがいまだその泣き声を、あの陰鬱な空に響かせている。 
馬鹿なひと。愛には溺れて。自分の過去まで、沈めて逃げてしまいたかったのね。彼が完璧に悪党だったならどんなに救われただろうか。悲しきアイロニーがあの湖をゆらした波紋のように、ひろがってゆく。
「彼女は僕を、哀れんでいました。」

自分でも自分をまるでわからない虚無な表情がすばらしいモンゴメリークリフト。
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