こぅ

脅迫者のこぅのレビュー・感想・評価

脅迫者(1951年製作の映画)
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ボギー作品特集④連発の②
映画数珠繋ぎ②/⑤

夭折したブレティン・ウィンダスト監督による、
【フィルム・ノワール】の秀作。


殺人請負業のボス、メンドーサの逮捕に全力をあげる警察と地方検事補、ファーガソン(ハンフリー・ボガート)。
唯一の重要証人だったメンドーサの手下、リコが裁判前夜に墜落死し、調査は振り出しに戻る…。


👍👎 Superiority or Inferiority
・シンプルな導入の引力
・ボギーの低音イケボ
・振り出し〜の再スタートは矢継ぎ早
・観る者を困惑させるような登場人物の多さ⤵︎
・ミステリーの遠回し⤵︎
・折角のタイムリミット効果が今一つ効いていない⤵︎
・倒叙式/回想を取り入れた展開
・ラスボスの温存
・陰影
・【エクソシスト】の名ショットと共に、、
・鏡とガラスを利用した反射ショット
・見落とし厳禁!見事な伏線
・急転直下のクライマックス
・ラストの盛り上げ方
・街頭/群衆でのアイデア


🙆‍♂️🙅General review (help the chooser)
OPクレジットバックから勇ましいテーマ曲と繋がる始まり。
誤送されて来た男、、
逮捕まで4年費やしたメンドーサの時効迄あと、
7時間。
法廷で証言してもらう前夜に唯一の証人、ニコの身柄を確保し、その手前でジタバタして事故死した事で一旦、振り出しに戻る、、
釈放されるメンドーサ。
犯人が判明している倒叙式だ。
シンプルな滑り出しが先ず唆る。

ファーガソンとネルソンは、また地味に事件の洗い直し、別の証人を見つけなければならない。

馬面だが、
1人だけ蝶ネクタイのボギーの誰よりも低ボイスには痺れる。

回想式で、
次々に出てくる人物/被害者。
また、組織と隠語。矢継ぎ早 の展開。
観る者に困惑を招くが、完全に追えなくても特に無問題。

ラスボスである、
メンドーサの顔は温存して中々見せないのもミステリアス効果。

撮影では、
兎に角、陰影が効いていて、鏡やガラスの反射による演出と、
終盤の
ロンドンの霧にも負けてない、霧の立ち込めるシークエンスでは、恐らく自分だけだと思うが、思わず【エクソシスト】の名ショットが一瞬浮かび、テーマ曲が聴こえてきた♪
https://youtu.be/D1PH_Y8Xn4g?si=mvyzhuAASUMlidcV

ミステリー/ノワール作品
あるあるの映画的 遠回し展開/枝分かれ は、登場人物が多くて中々の風呂敷きを広げるが、しっかりと 核心の収束 に向かう、あるきっかけで、メンドーサとファーガソンが、ほぼ同時期に気付く。
油断していて
突然来た、その時の "ハッ!"は、観る者を加えた 三位一体の 擬似体験 ではなかろうか⁈
勿論、その意味合い/立場は全く真逆だが、その 盛り上げ効果 はバツグンだ!

街頭/群衆である事を逆手に取ったファーガソンの 大胆作戦/アプローチ には、思わず ニヤリ とさせられる。


潔い終焉。

佳い作品。
こぅ

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