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黒水仙のあのレビュー・感想・評価

黒水仙(1946年製作の映画)
3.8
パウエルおじさんのえげつない話が今回も炸裂しておりました。空気が澄んでいると、「人間らしさ」を誤魔化すことなどできない。そうした環境で、修道女たちの信仰の殻が剥がれ落ちていく様の表現には、見事なものがありました。ラージプートの王子と孤児の少女の関係性があまり上手く作用していなかったところからも、中盤の停滞感がはっきりしていて残念でしたが、ラストの狂気に満ち溢れたシーンを、きり立った崖を上手く使ってやってのけたところなんかは、流石「赤い靴」のマイケル・パウエルだと思わされました。
あ