Aix

黒水仙のAixのレビュー・感想・評価

黒水仙(1946年製作の映画)
3.7
血を吸うカメラや赤い靴などで知られるマイケルパウエルの作品。ヒマラヤ山麓の民僧院に赴任することになったシスターの話。

独特な宗教ホラー作品でした。ヘレディタリーやボーはおそれているのアリアスターはかねてより今作がお気に入りだと公言しているんだけど、彼を筆頭に、ホラーと宗教とファンタジーとロマンスをごちゃ混ぜにして、世界観で魅せる作風に影響を受けた人が多いのも分かる気がします。もっといやらしい言い方をするならば、ベルイマンと共にナンスプロイテーションの元ネタになったような感じがしました。

今作のテクニカラーの映像は奥深くて綺麗だし、セットも良かったです。主演のデボラカーは後の回転にも通ずる役柄を演じていて、やはりあの映画も今作から影響を受けたように見えました。ただ個人的にはもう5分から10分短い尺にしていた方が、作品の評価ももっと上がっていたかもしれません。

余談ですが、何となくルノワールの河に似ているなぁとか思っていたら原作者が同じくルーマーゴッデンだったんですね。監督が違えど、どこか近い雰囲気を結構感じました。
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