しゅん

長屋紳士録のしゅんのレビュー・感想・評価

長屋紳士録(1947年製作の映画)
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後半の肩のくねくねで言語化されるが、飯田蝶子と坊やは前半から同じ動きをしている。同じように顎を引き、同じ角度で背中を曲げ、同じ握り飯とどら焼きを食する。そして、彼らの相似形が極まった後の写真展シーンでの鮮やかな反転と暗転。『晩秋』に連なる、写真が不吉を呼び込むシリーズ。キマってる。

飯田が玄関を去る瞬間に笠智衆にピントがあったり、海岸での擬似親子を撮るショットが二段階で遠景になったりと厚田雄春の撮影が素晴らしいし、くしゃくしゃの新聞紙が風に吹かれる固定ショットも印象深い。あとは「キリン(ジラフ)」ですね。
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