政府、警察、国家権力に市民が失望していた時代。作品的な色合いが濃く、ハリウッド的なエンディングとは程遠い。正義は勝てない、それが冒頭からも示されてしまっている。
私は正義感が強い方ではないが、セルピコの在り方や戦い方に惹かれた。不器用、世渡り下手と揶揄されるかもしれないが、彼が目指す井戸の王国を見たかった。
己を磨いて体制側に属しては居たいが、体制に溺れるようなことはしたくないな...。
映画としては地味だった。圧倒的少数派のまどろっこしい戦いであるし、スカッとするような逆転劇はないので、いつ冒頭部に帰結するのだろうと待つばかりであった。