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鳥のbesucherのレビュー・感想・評価

(1963年製作の映画)
4.4
爆発が起こる一連のシークエンス、店内に残っていたのはほぼ女性だけ、というのが非常に印象的で、女性が求められがちな保守性や侵犯者への攻撃性、の表現とも考えられるのかなとか色々思い巡らせてみる
母から子への偏愛、って怖いけれど多くの人が経験することだし、最後に母と和解した感じはするけど、一緒に“愛の鳥”も車に乗ってるからやっぱり解決はしてないのかも

餌に不備があるのではと電話をする部分での、「消費者は王様か?」も多分に意味を含んでいそう
家でも飼い慣らしている鶏、とその同族に襲われる人間(弁護士で金持ちでモテるミッチはまさに白人的)との関係や、この映画の中で一切黒人が描かれない様子(時代的なものが大きいだろうけれど)からも、鳥は単なる破壊性を備えた存在というよりも、抑圧されるものとしての側面が強いのでは

色々考えたけれど、ロータリーに夕方沢山出てくる鳥って気持ち悪い、という経験とダイレクトに結びつくリアリティのある怖さが最初にくるからホラーとしてやっぱり完成度すごい
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